最も危険な性病と言えばエイズ

エイズとはヒト免疫不全ウイルスのことでHIVのほうが馴染みが深いでしょう。
人の身体を様々な細菌、カビ、ウイルスなどの病原体から守るのに重要や役割を果たすのが免疫機能ですが、その働きをする一つにCD4陽性細胞というものがあります。
エイズは血液の中に入り込むとCD4細胞にくっつき、その細胞の中を利用して増殖して免疫機能を低下させます。
免疫が落ちるということは様々な病気に対する抵抗力がなくなり、病気が発症しやすくなるということです。
エイズは人の免疫機能を低下させる恐ろしいウイルスです。

エイズは血液、精液、膣分泌物、母乳などに多く分泌され、その7~8割は性交渉によって感染すると言われている性感染症の一つです。
性器や肛門、口などの粘膜を通して相手の体内に入り込み感染するもので、性交渉の他に輸血や血液製剤、麻薬注射などの注射針の使いまわし等の血液感染、また母子感染などがあります。

エイズに感染して治療を行わないと、だんだん免疫力が低下して数年から10年程度で健康な人にとっては何でもない菌が原因で様々な病気が発症します。
エイズがCD4リンパ球に感染すると体の免疫機能が破壊されてしまうので免疫力が弱くなります。
健康な時に抑えられていた病原性の弱い微生物やウイルスが暴れだして様々な症状を引き起こすことを日和見感染というのですが、これをもってエイズが発症したことになります。
ニューモシス肺炎、ヒトプラズマ症など指定されている23の疾患を発症することがそれにあたります。

昔はエイズに感染すると平均余命は7年程度、発症すると回復することはなく2年以内に死亡すると言われ不治の病と恐れられていました。
今ではエイズ医療も進化しており、感染に関しても発症前に発見できれば発症を防ぐことが可能になってきており、早期に発見することが重要です。

日本では毎年1500人程度の新規感染者が出ていますが、その30パーセントは発見の時点で発症しています。
現在の医療ではウイルスを完全に排除することは不可能ですが、新しい薬も開発されています。
抗HIV治療薬でウイルスの増殖を抑え、CD4陽性細胞を増やすことで体の免疫機能を回復し、発症をコントロールすることが可能になっているのです。

予防は感染している人にとっても必要で、他の疾患に感染しないようにして治療効果を上げるためにも性交渉にはコンドームの使用は不可欠でしょう。
感染の不安を感じたら積極的に検査をうけるべきでしょう。
医療機関は勿論、保健所でも匿名で受けることができます。
また受診することに抵抗がある人は郵送で検査キットを利用しての検査もできます。

エイズは早期治療で進行を遅らせることが可能

エイズは一昔前まで不治の病と言われ、死に直結する病気であると恐れられていました。
確かに感染者からHIVウイルスを死滅させることは未だできません。
しかし、1980年代から世界中で猛威を振るってきたこの病原菌に対して、人間は多くの検査や研究の末、治療薬や発症を遅らせる薬を開発し続けています。

そのため、エイズで亡くなる人は減少傾向にあります。
それは、人類の努力の賜物です。まず原因を知り、対策をすることから始まりました。
性交渉で感染することが多いため、避妊目的だけではなく、エイズ予防の観点からもコンドームの着用は必須です。

しかし、それだけで万全とはいきません。エイズに感染するリスクを完全に排除することは困難です。
最も大切なことは、HIVウイルスに感染した後にいち早くそれに気付き、治療を開始することです。
HIVウイルスに感染しても2週間ほどは症状はありません。
2週間ほど経過してから悪寒や発熱・咳・リンパ節の腫れなど風邪に似た自覚症状を覚えます。
しばらくすると抗体ができてこれらの症状は収まり、長い潜伏期間に入ります。
5年から10年経ってから発症しますが、その間徐々に体から免疫機能を奪っていくのが特徴です。

この事実から分かるように、発症するまで気付きにくいのがエイズの怖さと言えます。
それを未然に認識するには検査を受けることが有効です。
日本なら保健所で、無料で受けることができます。
感染のリスクを理解して上で、まずは検査を受けてみることが大切です。
陰性なら安心できますし、陽性でも速やかに治療に移れます。
検査を受けて損はありません。

発症する前なら発症しないようにコントロールすることが可能です。
HIVウイルスに感染しながら一般的な生活を送る人はたくさんいます。
また、発症してもすぐに亡くなることはないという程度まで薬の開発は進んでいるので、悲観しすぎるのは良くありません。
何れにしてもエイズの治療は早いに越したことはないので、早期発見・早期治療が肝要です。