非常に感染者数の多いクラミジアについて

薬を持っている人

クラミジアは、国内で最も感染患者が多い性感染症であり、若い世代に感染患者が多く特に10代後半~20代後半の女性に感染患者が多い特徴があります。
クラミジアは、直径約300nmのクラミジア・トラコマティスの感染が発症原因です。
クラミジア・トラコマティスは感染細胞内でしか増殖が出来ない偏性細胞内寄生体である事から間接的な接触による感染リスクは低く、性交渉による感染経路が大半を占めています。

クラミジアは、感染から1週間~3週間程度の潜伏期間を経て発症します。
性別によって発症時の症状が大きく異なると共に男性の感染者の50%前後と女性の感染者の80%以上が発症後に自覚症状が無く感染に気付か無い事が多く、男性よりも女性の方が重症化する傾向があります。

クラミジアは、病原菌のクラミジア・トラコマティスが感染細胞内で封入体を形成し、封入体の中で増殖する事から細胞性免疫機構が反応し難く抗体も形成され難い事から自覚症状が少ない性感染症です。
クラミジア・トラコマティスは、感染細胞に影響の少ない封入体を形成するだけで無く、1個のクラミジア・トラコマティスが2個に分裂する1回の増殖プロセスを2日間~3日間かけて行います。
そのため急性の炎症を引き起こすリスクが低く、自覚症状の発症が無く重症化する事があります。

治療は、アジスロマイシンを主成分とするジスロマックや、クラリスロマイシンを主成分とするクラシッド、及びジェネリック医薬品のレボクインなどのタンパク合成阻害薬も使われています。
また、ジスロマックと作用するサブユニットが異なるミノサイクリンを主成分とするミノマイシンやレボフロキサシンを主成分とするクラビットなどの抗生物質による薬物療法が行われています。
クラビットは、WHOの定める必須医薬品リストに選定されている医薬品であり、DNAトポイソメラーゼ2型と4型の働きを阻害する事で高い初期殺菌効果と耐性菌の出現抑制効果が期待出来ます。

クラミジア治療薬と言えばジスロマック

クラミジアの治療薬には、ニューキノロン系抗生物質のレボフロキサシンを主成分とするクラビットやジェネリック医薬品のレボクインがあります。
トラサイクリン系抗生物質のミノサイクリンを主成分とするミノマイシンやマクロライド系抗生物質のクラリスロマイシンを主成分とするクラリスなどがあります。
マクロライド系抗生物質のアジスロマイシンを主成分とするジスロマックを第一選択薬として処方する医療機関が多くあります。

ジスロマックの作用機序は、発症原因のクラミジア・トラコマティスのDNAの切断と再結合を司る酵素の働きを阻害するクラビットやレボクインの作用機序とは大きく異なります。
クラミジア・トラコマティス内でタンパク質を生合成するリボゾームのサブユニットと結合する事でタンパク質の生合成を抑制します。
クラミジア・トラコマティスは、生命を維持する為に必要不可欠な構造タンパク質が不足及び欠乏する事により、エネルギーの生産や細菌の形状維持が難しくなり死滅します。

人間は、発症原因のクラミジア・トラコマティスと同様にリボゾームでタンパク質を生合成します。
人間のリボゾームは60Sと40Sで構成されている一方でクラミジア・トラコマティスのリボゾームは50Sと30Sで構成されている違いがあります。
ジスロマックは選択的に50Sサブユニットと結合する事から服用による副作用が少ない治療薬とされています。
しかし、ジスロマックは、病原菌を死滅させ症状を改善する医薬効果が高い抗生物質なので服用により発疹や下痢などの副作用を発症する事があります。
皮膚の弱い人や長期間の服用者には太陽光を浴びた部位に水ぶくれや発赤などの皮膚症状が現れる光線過敏症を発症する事もあります。